【解説】プラダンと中空のポリカートの違い・使い分け

DIYなどでもよく使われる「中空ポリカ」と「プラダン」。
中空ポリカは一般名称で、ホームセンターなどの売り場では、その形状からか、ポリカプラダンや、ツインカーボ(AGC)などの名称で売られている場合もあります。
見た目は似ているけど、それぞれの特性、適した用途、同じようで異なる点を説明します。

目次

中空ポリカとは

中空ポリカ写真

ポリカーボネートとはプラスチックの一種で、中空ポリカーボネートはその中でも特殊な加工技術によって内側が空洞構造になっているポリカーボネートシートのことを指します。その特徴的な構造により、軽量でありながら高い耐衝撃性を持っています。

また厚みは薄いものなら3mm程度、分厚いものは40mm以上もあり、中空部分の構造は単純二重構造から、複雑な多層のものまであります。使用用途によって使い分けされており、建材やディスプレイパネルなど、さまざまな用途で活用され、特に20mmを超えるものは、独立した外壁として使用されることもあります。

中空ポリカの特徴

断熱性で冷暖房効率アップ
耐衝撃性で割れにくく安全
UVカット
難燃性で燃え広がらない
軽量で扱いやすい
中空ポリカの特徴・断熱性・耐衝撃性・耐候性・難燃性・軽量

中空ポリカは、強靱性と耐久性、軽量性といった性質を兼ね備えた多層構造の板材です。
中空部分に空気を閉じ込めることで、保温性・遮音性を高め、また、光を散乱させる効果もあり、直射日光を遮りつつも明るさを保つことが可能です。

中空ポリカの断面写真

中空ポリカの主な使用用途


中空ポリカの優れた特性から、建築材料として屋根や壁、温室などの間仕切り材や窓ガラス等に幅広く利用されるほか、広告やディスプレイとしても用いられます。

プラダン(プラスチックダンボール)とは

プラダン製品

プラダンとは、プラスチックダンボールの略称で、その名の通り、プラスチック製のダンボールのようなものです。ポリプロピレン(PP)を原料とした中空構造の板材で、使い道もダンボールとよく似ており、梱包資材としてよく使用されている素材です。
一般的な紙のダンボールよりも頑丈で耐水性があり、使い回しができるため、通い箱としても利用されています。

厚みはメーカーにもよりますが、薄いものなら2mm前後、厚いものなら10mm以上のものまであります。

プラダンの特徴

プラダン最大の特徴はその頑丈さと耐水性です。通常のダンボールが持つような水分による弱点を補うことができます。また、緩衝材としても使用でき、家具や機器の運搬の際の養生シート・梱包資材にも適しています。

プラダンの写真

プラダンの主な用途

プラダンの使い道は多岐にわたりますが、最も一般的な用途は前述の通り、梱包資材です。
次いで、養生シートとして、よくマンションなどの引越し現場で見かけるかもしれません。

・通い箱・保管容器・家電製品や機材の輸送パッケージ・工作・試作品などのパーツ・保護・養生シート

中空ポリカとプラダンの違い

素材

中空ポリカーボネート

素材:ポリカーボネート
衝撃に強く、透明で耐候性もある

中空ポリカ製品写真
プラダン

素材:ポリプロピレン
軽量で柔らかく、繰り返しの折り曲げにも強い

プラダン製品写真

物性

中空ポリカ
耐衝撃性に優れ、光透過性があり、透明なものが主流です。
吸水性が低いため、環境による寸法誤差が生じにくく、精度が求められるような現場でも活躍します。また、耐候性があるため、屋根や外壁としても使用されています。

プラダン
軽量でありながら高い強度を持ち合わせおり、凹みにくく、養生シートとして力を発揮します。なお、あくまで紙のダンボールに比べて頑丈であり、中空ポリカのような耐衝撃性があるわけではありません。また、耐候性はなく、温度変化にも弱いため、中空ポリカのように屋外に設置しての使用には向いていません。カラーは不透明です。

加工について

中空ポリカ

加工は比較的しやすく、薄いものであればカッターなどで切断も可能です。10mm以上になるとかなり固くなるため、パネルソーなどでの切断が最適です。
右の写真は、窓のサイズにカットされた中空ポリカをガラスに貼り付け、二重窓として使用した例です。

中空ポリカの二重窓

プラダン

加工は容易で、普通のダンボールのようにカッターやハサミなどで簡単に切断でき、3〜5mm程度の薄いものであれば、手で折り曲げたりと、簡単に加工することも可能です。
右の写真はプラダンを使ったサンプルボックスの例です。簡単に組み立てられ、軽量で、中のサンプルを守ります。

プラダンの使用例

価格の違い

中空ポリカ

高い機能性から、価格はやや高めです。

4mm厚の2層構造の場合の参考価格
サイズ固定:2000円/㎡(ホームセンター・ネット販売)
オーダーカット:4000円以上/㎡(ネット販売が基本)
※オーダーカット製品は端材が出ないため、サイズ固定の商品よりも結果的にコストが安くなる場合もあります。

プラダン

量産性と素材そのものの安さから、
中空ポリカに比べると比較的安価です。

4mm厚の特殊加工なしの場合の参考価格
サイズ固定:600~800円/㎡(ホームセンターなど)
※小さいサイズになればなるほど割高な傾向にあります。
 

まとめ

中空ポリカとプラダン(ダンプラ)の違いについて解説してきました。
ホームセンターなどでは、プラダンは梱包資材付近に、中空ポリカは建築資材売り場付近に設置されていることが多く見られます。こういった点でも求められる機能性がそれぞれ違うことに気づくかもしれません。見た目は似ていますが、全然違う特性を持っており、使用用途に適した素材を選びましょう。

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